こんにちは! 「オレンジねっと」ライターの遠藤柚奈(ゆうな)です。
荒川さんが、北海道札幌市で行われた会議に出席してきたそうです。
「いろんな立場の人が出席していて、とても勉強になった!」と輝くような笑顔でお話しされていたのが印象的です。
荒川さんのお話の中でも、特に印象に残った言葉がありました。
「個別支援が個人支援になる傾斜がみられる中で、オレンジねっとはあくまでも世帯支援の視点で活動している」
「今まではただ夢中でやってきたから、外部の人からそう言われて初めて気づきました」
オレンジねっとの利用会員になるためには、簡単な会員登録の手続きが必要です。
その書類のタイトルは、「利用会員家族登録用紙」。
行政が提供している「介護保険」は、保険を利用する本人登録。
ここが、介護保険と、NPO法人「オレンジねっと」の大きな違いかもしれません。
荒川さんが、わかりやすい例をお話ししてくださいました。
介護保険は「サービス」の一環であり、サービスの対象は、登録されている高齢者です。
高齢夫婦で、奥さんが介護保険の認定を受け、ご主人が自立している場合、手助けされるのは奥さんのみ。
ヘルパーさんは奥さんの衣類を洗濯し、奥さんのためのごはん(1人分)しか作れません。
ご主人は介護保険の対象外なので、「自分のことは自分でやってね」とされてしまうわけです。
家族の中に介護保険に認定された人ができることは、家族にとって大きな環境の変化のはず。
しかし家族にかかる身体的、精神的なストレスは、ヘルパーさんに解消してもらうことはできないのです。
では、だれが支援できるのか?
その「だれが」の答えこそ、オレンジねっとのような地域ボランティアかもしれません。
介護が必要な人と一緒に暮らしている人たちも手を差し伸べる。
オレンジねっとの活動を一言で表せば、「家族支援からはじまる地域支援」。
それは「仕組みの前に、場所づくり」というオレンジねっとの土台となる志であり、同時に実り続ける結果なのでしょう。