こんにちは! 「オレンジねっと」ライターの遠藤柚奈です。
その日オレンジねっとを訪ねてきたのは、Tさんという女性。
Tさんのお父様のお話をうかがいました。
Tさんのお父様は、とっても活動的。
お父様は退職後、仙台を離れて田舎で一人暮らしをし、当時は地域の人たちと楽しく交流していたそうです。
もともと手先が器用で、達筆な習字に大工仕事、料理、編み物、農業までで。
さらに、船舶免許もお持ちなのだとか。
しかし震災で津波の影響を受け、田舎から南光台に戻って来たそう。
さらにはその後、ご家族のご不幸に見舞われてしまいました。
現在はかつて得意だったたくさんのことも、あまりやりたがらなくなってしまったのだそうです。
「震災がなければ、こんな事にはなっていなかったと思う。
地域コミュニティの大切さを知りましたね」
Tさんは実感を滲ませながら語ります。
Tさんが口にしたのは、お父様への支援のこと。
お父様は現在、2時間程度のデイサービスを利用していますが、
デイサービスで注目されるのは「リハビリ的な運動」と、「薬をちゃんと飲んでいるか、等の健康管理」が中心。
「できれば、父の強み(ストレングス)を引き出すような支援をしてほしい」と希望を口にしました。
そして、それが可能なのは「地域」なのではないか、とも。
地元地域を出て施設に入っても、さらに施設を移っても、途切れることのない地域の縁。そ
れはさながら、人とのつながりの土台になるようなものです。
その「土台」の中で繋がりがあれば、さらに、その繋がりの中で「自分の得意を活かせる機会」があれば。
もっと強い情熱を生きがいの感覚を失わずにいられるのではないでしょうか。
Tさんは
「男性って、あんまり自分の悩みとかを人に話さないじゃないですか。
ずっと家の中にいるから、父のストレスが全部母にぶつけられてしまう。
母はまだ外に発散する場があるから多少は良いけれど……。
家族以外の人との繋がりができるといいですよね」
と、希望を交えながら語りました。